子宮頸がん予防ワクチン(サーバリックス) cervarix
子宮頸がんと発がん性ヒトパピローマウイルス(HPV)
① 子宮頸がんは、子宮頸部(子宮の入り口)にできる癌で、20~30代で喰蔵し、日本では年間約15,000人の女性が発症していると報告されています。子宮頸がんは、初期の段階では自覚症状がほとんどないため、しばしば発見が遅れてしまいます。癌が進行すると、不正出血や性交時の出血などがみられます。
② 子宮頸がんは、発がん性HPVというウイルスの感染が原因で引き起こされる病気です。発がん性HPVは性行為により感染しますが、特別な人だけが感染するのではなく、多くの女性が一生のうちに一度は感染するごくありふれたウイルスです。
③ 発がん性HPVには15種類ほどのタイプがあり、その中でもHPV 16型、18型は子宮頸がんから多くみつかるタイプです。日本人子宮頸がん患者の約60%からこの2種類の発がん性HPVがみつかっています。
④ 発がん性HPVは感染しても多くの場合、感染は一時的で、ウイルスは自然に排除されますが、感染した状態が長い間続くと、数年から十数年かけて前がん病変(癌になる前の異常な細胞)を経て子宮頸がんを発症することがあります。また、一度排除されたとしても繰り返し感染してしまいます。
⑤ 子宮頸がんは、発がん性HPVに感染してから癌になるまでの間に、子宮頸がん検診によって、前がん病変を見つけることが可能です。また、前がん病変やごく初期の子宮頸がんであれば、子宮頸部の一部を取り除く手術(円錐切除)で治療できます。
子宮頸がん予防ワクチン(サーバリックス)について
① サーバリックスは、全ての発がん性HPVの感染を防ぐものではありませんが、子宮頸がんから多くみつかるHPV 16型、18型の2つのタイプの発がん性HPVの感染を防ぐことができます。
② サーバリックスを接種しても、HPV 16型およびHPV 18型以外の発がん性HPVの感染は予防できません。また、サーバリックスは接種時に発がん性HPVに感染している人に対して、ウイルスを排除したり、発症している子宮頸がんや前がん病変の進行を遅らせたり、治療することはできません。
③ 上記のようにサーバリックスの接種時にHPV 16型や18型の発がん性HPVに感染している人に対して、十分な予防効果は期待できませんが、HPV 16型と18型の両方に同時に感染している可能性は低く、HPV 16型に感染している人でもHPV 18型への予防効果がHPV 18型に感染している人でもHPV 16型への予防効果が期待できます。また、発がん性HPVに感染している人に対してサーバリックスを接種しても症状の悪化などは報告されていません。
④ ワクチンを接種した後も、ワクチンでは予防できない型の発がん性HPVによる病変を早期発見するために子宮頸がん検診の受診が必要です。市区町村が実施する公的子宮頸がん検診は、20歳以上を対象として2年に1回の受診間隔で実施されますので、定期的に受診しましょう。気になることがありましたら、すぐにワクチンの接種を受けた医療機関にご相談ください。ワクチン接種後も、定期的に子宮頸がん検診を受けましょう。
予防接種を受ける事ができない方
① 明らかに発熱している方。(通常は37.5℃を超える場合)
② 重い急性疾患にかかっている方。
③ サーバリックスの成分(詳しくは医師にお尋ねください)によって、過敏症(通常接種後30分以内に出現する呼吸困難や全身性のじんま疹などを伴う重いアレルギー反応を含む)をおこしたことがある方。
④ その他、かかりつけの医師に予防接種を受けないほうがよいと言われた方。
予防接種を受ける際に、医師とよく相談しなくてはならない方
① 血小板が少ない方や出血しやすい方。
② 心臓血管系疾患・腎臓疾患・肝臓疾患・血液疾患・発育障害などの基礎疾患のある方。
③ 過去に予防接種で接種後2日以内に発熱がみられた方。
④ 過去に痙攣(ひきつけ)をおこしたことがある方。
⑤ 過去に本人や近親者で、検査によって免疫状態の異常を指摘されたことのある方。
⑥ 妊娠あるいは妊娠している可能性のある方。(3回接種期間中を含む:初回~6ヶ月間)