高齢になると、肺炎は特に心配な病気の一つです。この記事では、肺炎による重症化を防ぎ、ご自身の健康を保ちながら自立した安心な毎日を送るために重要な「高齢者向け肺炎球菌ワクチン」について、分かりやすく解説します。
国が費用の一部を助成する「公費接種(定期接種)」の制度を利用することで、経済的な負担を抑えながらワクチン接種を受けることが可能です。ワクチン接種は、ご自身の健康を守り、ご家族や友人と心穏やかに過ごすための、前向きな選択肢となります。ここでは、制度の利用方法や接種の流れ、そして気になる副反応など、必要な情報を丁寧にご紹介していきます。
なぜ高齢者に肺炎球菌ワクチンが重要?肺炎による重症化を防ぐために
年齢を重ねると、体の抵抗力(免疫力)が少しずつ低下し、若い頃は問題にならなかったような感染症にもかかりやすくなります。特に注意が必要なのが「肺炎」です。高齢者の肺炎は、ご自身も気づかないうちに症状が進行したり、急に重症化して入院が必要になったりすることが少なくありません。一度重い肺炎にかかると、体力が大きく落ち込んでしまい、元の生活に戻るのが難しくなることもあります。
こうした事態を防ぐための有効な手段が、肺炎球菌ワクチンの接種です。ワクチンを接種しておくことで、肺炎の原因として最も多い「肺炎球菌」という細菌による感染症、特に重症化しやすい肺炎のリスクを大きく減らすことができます。これは、万が一の入院や寝たきりを防ぎ、これからも自分らしく自立した生活を続けるための大切な備えとなります。ここでは、まず高齢者にとっての肺炎のリスクと、ワクチン接種の重要性について解説します。
肺炎球菌とは?高齢者がかかりやすい身近な感染症
「肺炎球菌」という名前を聞いたことはありますか。これは特別な細菌ではなく、多くの人の鼻やのどに普段から存在している、ごくありふれた細菌の一種です。健康なときは何も症状を引き起こしませんが、加齢や持病、あるいは風邪をひいたことなどをきっかけに体の抵抗力が落ちると、活動を始めて肺炎や気管支炎、敗血症、髄膜炎といった重い感染症(侵襲性肺炎球菌感染症)を引き起こすことがあります。
特に高齢者は、この肺炎球菌による感染症にかかりやすく、重症化しやすい傾向にあります。成人の肺炎の原因菌として最も多いのが、この肺炎球菌です。自分では健康だと思っていても、気づかないうちに体力が落ちていることもあり、知らず知らずのうちに感染し、重症化してしまうケースも少なくありません。ワクチン接種を考える上で、まずはこの「肺炎球菌」が身近なリスクであることを理解することが大切です。
ワクチン接種で重症化リスクを大幅に軽減
肺炎球菌ワクチンの最も大きな目的は、肺炎球菌による「重症化」を防ぐことです。ワクチンを接種すると、体の中に肺炎球菌と戦うための「抗体」が作られます。この抗体のおかげで、万が一肺炎球菌が体内で増殖し始めても、体が効果的にこれを撃退し、重い症状に至るのを防いでくれます。
ワクチンを接種したからといって、すべての肺炎を100%防げるわけではありません。しかし、肺炎球菌が引き起こす肺炎、特に血液や髄液に菌が侵入するような最も危険な状態(侵襲性肺炎球菌感染症)になるリスクを大幅に下げることが科学的に証明されています。入院や長期の療養を避け、日々の穏やかな生活を守る上で、ワクチン接種は非常に有効な手段です。家族や友人と安心して旅行や趣味を楽しむためにも、重症化リスクを減らす備えは大きな安心につながります。
【公費助成】肺炎球菌ワクチンの定期接種とは?対象者・費用を解説
高齢者の肺炎球菌ワクチン接種は、国がその重要性を認め、予防接種法に基づく「定期接種」として位置づけています。これにより、対象となる方は費用の一部を国や自治体が負担する「公費助成」を受けて接種することができます。これは、個人の経済的負担を軽減し、より多くの方にワクチンを受けてもらうための制度です。
公費助成の対象となる年齢や条件は決められており、この機会を逃すと、次に接種する際は全額自己負担となってしまいます。「自分は対象なのだろうか」「費用はいくらかかるのか」といった疑問を解消し、安心して接種を検討できるよう、ここでは定期接種の具体的な内容について詳しく解説します。自治体から案内が届いている方は、ぜひその書類をお手元にご用意の上、ご確認ください。
定期接種の対象となる方
公費助成の対象となる方には、主に2つの条件があります。ご自身が当てはまるかどうか、まずはここでご確認ください。
1. 各年度中に65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳となる方
2024年3月31日までの経過措置として、上記の年齢になる方が対象でした。お住まいの自治体から送付される案内状(予診票など)で、ご自身が対象かどうかを必ず確認してください。この制度は生涯で一度しか利用できません。
2. 60歳から65歳未満の方で、心臓、腎臓、呼吸器の機能またはヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に重い障害(身体障害者手帳1級相当)を有する方
特定の持病をお持ちで、特に重症化のリスクが高い方も対象となります。ご自身の持病が該当するかどうか不明な場合は、かかりつけの医師にご相談ください。定期接種の対象かどうかを最も確実に確認する方法は、お住まいの自治体から届く通知を確認することです。通知が届いていない、または紛失してしまった場合は、市区町村の保健センターや予防接種担当窓口にお問い合わせください。
接種費用はいくら?自己負担額と免除制度
公費助成の対象となる定期接種では、接種にかかる費用の一部を自己負担することでワクチンを受けることができます。自己負担額は、お住まいの自治体によって異なりますが、おおむね2,000円から5,000円程度が一般的です。本来は8,000円以上かかるワクチンですので、この制度を利用すると経済的な負担が大きく軽減されます。正確な金額については、自治体から送られてくる案内状に記載されていますので、必ずご確認ください。
また、生活保護を受給している世帯の方や、市町村民税非課税世帯の方などは、自己負担額が免除される制度を設けている自治体も多くあります。免除を受けるためには、事前に申請が必要な場合があります。ご自身が免除の対象になるかどうか、またその手続き方法についても、自治体の案内を確認するか、担当窓口へお問い合わせください。費用に関する不安を解消し、安心して接種に臨みましょう。
接種できる期間と回数
公費助成が受けられる定期接種には、決められた期間と回数があります。まず最も重要な点は、この制度を利用して肺炎球菌ワクチン(23価ワクチン)を接種できるのは「生涯に一度限り」であるということです。過去に一度でも、公費・自費にかかわらず23価肺炎球菌ワクチンを接種したことがある方は、定期接種の対象外となります。
接種できる期間は、対象となる年齢の誕生日を迎えてから、その年度の終わり(3月31日)までが一般的です。例えば、4月2日から翌年4月1日までの間に65歳になる方が対象の年度であれば、その期間内に接種を済ませる必要があります。この期間を過ぎてしまうと、公費助成の権利が失われ、次に接種する際は全額自己負担となってしまいます。自治体から案内が届いたら、なるべく早めに計画を立てることが大切です。
【2024年度以降】肺炎球菌ワクチンの定期接種制度の変更点
高齢者の肺炎球菌ワクチンの定期接種制度について、重要な変更点があります。これまで、65歳以上の方に広く接種機会を提供するため、「65歳、70歳、75歳…」と5歳刻みの年齢の方を対象とする「経過措置」が取られてきましたが、この措置は2024年3月31日をもって終了しました。
2024年度(2024年4月1日)以降は、制度が変更され、原則として「65歳の方」のみが定期接種の対象となります。つまり、過去に70歳や75歳で対象だったにもかかわらず接種を逃してしまった方は、残念ながら2024年度以降は定期接種(公費助成)の対象とはなりません。ただし、60歳から65歳未満で特定の重い持病がある方の制度は引き続き継続されます。ご自身の該当年齢での接種機会を逃さないよう、制度の変更点を正しく理解しておくことが重要です。
肺炎球菌ワクチンの接種を受けるまでの4ステップ
「ワクチンを打ちたいけれど、何から始めればいいのか分からない」と感じる方も多いかもしれません。しかし、手順を一つひとつ確認していけば、決して難しいことではありません。ここでは、自治体からの案内が届いてから、実際にワクチン接種を終えるまでの流れを、分かりやすく4つのステップに分けて解説します。この手順に沿って準備を進めることで、不安なくスムーズに接種を受けることができます。
ステップ1:対象者かどうかを確認する(予診票の確認)
最初のステップは、ご自身が今年度の公費助成の対象者であるかを確認することです。対象となる方には、お住まいの市区町村から「高齢者肺炎球菌予防接種のお知らせ」といった案内状が郵送されます。この封筒の中に、「予診票」という問診票が同封されているはずです。この予診票が届いたということが、あなたが定期接種の対象者であることの最も確実な証明となります。
まずは、ご自宅に自治体からの案内が届いていないか確認してみましょう。もし「対象年齢のはずなのに案内が届かない」「案内をなくしてしまった」という場合は、お住まいの市区町村の保健センターや予防接種担当課に電話で問い合わせてください。ご自身の状況を伝えれば、対象者であるかの確認や、予診票の再発行について案内してもらえます。
ステップ2:接種できる医療機関を探して予約する
次に、ワクチンを接種できる医療機関を探し、予約を取ります。まずは、日頃から通院している「かかりつけ医」に相談するのが最も安心でスムーズです。かかりつけ医であれば、ご自身の体調や持病をよく理解しているため、安心して接種の相談ができます。かかりつけ医が接種を実施していない場合でも、近くの接種可能な医療機関を紹介してくれるでしょう。
かかりつけ医がいない場合は、自治体から送られてきた案内に同封されている「実施医療機関一覧」をご覧ください。また、自治体のウェブサイトで確認したり、担当窓口に電話で問い合わせたりすることもできます。接種を希望する医療機関が見つかったら、必ず電話で予約をしてください。その際、「高齢者肺炎球菌の定期接種の予約です」と伝えるとスムーズです。接種当日や予約時に必要な持ち物についても、この時に確認しておくとよいでしょう。
ステップ3:接種当日の持ち物と服装の注意点
接種当日に慌てないよう、持ち物と服装を事前に準備しておきましょう。医療機関へ持っていくものは、主に以下の4点です。忘れると接種が受けられない場合があるので、前日に必ず確認してください。
1. 自治体から送られた予診票:事前に記入できる部分は済ませておきましょう。
2. 本人確認書類:健康保険証、運転免許証、マイナンバーカードなど、住所・氏名・生年月日が確認できるもの。
3. 自己負担金:案内状に記載された金額を、お釣りのないように用意しておくと親切です。
4. お薬手帳:普段飲んでいる薬がある方は持参しましょう。医師が体調を判断する上で重要な情報となります。
服装については、ワクチンは肩に近い腕(上腕)に注射しますので、肩を出しやすい服装がおすすめです。半袖のシャツの上から、着脱しやすいカーディガンや前開きのシャツなどを羽織っていくと、診察も接種もスムーズに進みます。
ステップ4:接種後の過ごし方と注意点
ワクチン接種が終わった後も、いくつか注意点があります。まず、接種後すぐには、まれに強いアレルギー反応(アナフィラキシー)が起こることがあります。そのため、接種後15分から30分程度は、すぐに医師と連絡が取れるよう、接種した医療機関の待合室などで安静に過ごしてください。
帰宅後は、激しい運動や多量の飲酒は避けるようにしましょう。接種した部位を清潔に保つことは大切ですが、強くこすったり揉んだりしないでください。入浴は普段通りで問題ありません。接種部位の痛みや腫れ、微熱といった副反応が出ることがありますが、多くは数日で自然に治まります。もし症状が長引いたり、高熱やじんましんなど他の気になる症状が現れたりした場合は、ためらわずに接種を受けた医療機関やかかりつけ医に相談してください。
ワクチンの種類と安全性|副反応が心配な方へ
ワクチン接種を考える上で、「本当に安全なのだろうか」「注射の後の副反応が怖い」といった不安を感じるのは、ごく自然なことです。特にご高齢の方や、ご家族に迷惑をかけたくないという思いが強い方ほど、その心配は大きくなるかもしれません。ここでは、そうした不安を少しでも和らげられるよう、肺炎球菌ワクチンの種類や安全性、そして主な副反応と対処法について、正確で分かりやすい情報をお伝えします。正しい知識を持つことが、安心して接種に臨むための第一歩です。
肺炎球菌ワクチンの種類と違い
成人向けの肺炎球菌ワクチンには、主に2つの種類があります。公費助成の対象となる「定期接種」で使われるのは、このうちの一方です。それぞれの特徴を簡単に理解しておきましょう。
1. 23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(PPSV23)
これが、高齢者の定期接種で使われるワクチンです。肺炎を引き起こしやすい90種類以上の肺炎球菌のうち、特に感染する機会の多い23種類の型に対して免疫をつけることができます。幅広い種類の肺炎球菌をカバーするのが特徴です。
2. 13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)
こちらは、主に乳幼児の定期接種で使われているワクチンですが、成人でも任意接種(全額自己負担)として接種することが可能です。13種類の型に対応しており、PPSV23とは免疫のつき方が少し異なります。
公費助成の対象となるのは「23価(PPSV23)」の方である、と覚えておけば十分です。両方のワクチンを接種することで、より強固な免疫を得ることも可能ですが、その場合は接種間隔などを医師と相談する必要があります。
主な副反応と対処法
肺炎球菌ワクチンは安全性の高いワクチンですが、体内で免疫が作られる過程で、いくつかの副反応が出ることがあります。多くは一時的なもので、数日以内におさまりますので、過度に心配する必要はありません。主な副反応とその対処法を知っておきましょう。
よく見られる副反応は、注射した部位の痛み、赤み、腫れ、しこりです。これは接種者の半数以上に見られます。その他、筋肉痛、だるさ、頭痛、微熱などが起こることもあります。これらの症状は、体がきちんと反応して免疫を作っている証拠とも言えます。注射部位の痛みが気になる場合は、冷たいタオルなどで冷やすと和らぐことがあります。だるさや熱があるときは、無理せずゆっくりと休みましょう。
ごくまれに、強いアレルギー反応(じんましん、息苦しさなど)が起こることもあります。もし帰宅後にこのような症状が出たり、高熱が続いたり、接種部位の腫れがひどくなったりした場合は、すぐに接種した医療機関またはかかりつけ医に連絡してください。
もしもの時のための「予防接種健康被害救済制度」
万が一、定期接種のワクチンが原因で、入院が必要になるほどの重い健康被害が生じた場合には、国がその被害を救済する公的な制度があります。これを「予防接種健康被害救済制度」といいます。
この制度は、予防接種と健康被害との因果関係が認定された場合に、医療費や障害年金などが給付されるものです。これは、ワクチン接種が個人のためだけでなく、社会全体の感染症予防に貢献するという考えに基づき、国が責任を持って実施していることの証でもあります。極めてまれなケースではありますが、このような公的なセーフティネットが用意されていることを知っておくことは、接種前の不安を和らげる助けになります。制度の詳細については、お住まいの市区町村の担当窓口で確認することができます。
高齢者の肺炎球菌ワクチンに関するよくある質問(Q&A)
肺炎球菌ワクチン接種を検討されている方の中には、「色々知りたいけれど、誰に聞けば良いのだろう」「こんなことを聞いても良いのかな」と疑問や不安を抱えている方もいらっしゃるでしょう。ここでは、高齢者向け肺炎球菌ワクチンに関して、皆さんが疑問に思われることが多い点をQ&A形式でまとめています。ご自身の状況と照らし合わせながら、接種を検討する際の参考にしてください。
Q1. 過去に肺炎球菌ワクチンを接種したことがありますが、定期接種の対象ですか?
A. いいえ、定期接種(公費助成)の対象にはなりません。高齢者肺炎球菌ワクチンの定期接種で用いられる「23価ポリサッカライドワクチン(PPSV23)」は、生涯に一度しか公費助成を受けることができない制度です。したがって、過去に一度でもこのワクチンを接種したことがある方(全額自己負担で接種した場合も含む)は、たとえ今年度の対象年齢であっても、残念ながら定期接種の対象外となります。
ご自身の接種歴が不明な場合は、まず、かかりつけ医やお薬手帳で確認してみるのが確実です。もしそれでも分からない場合は、以前接種した可能性のある医療機関に問い合わせてみましょう。記録が残っている場合があります。
Q2. インフルエンザワクチンなど、他のワクチンと同時に接種できますか?
A. はい、一般的に可能です。肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンは、どちらも「不活化ワクチン」という種類に分類され、現在の日本の予防接種に関するルールでは、両者の接種間隔について特に規定はありません。そのため、同じ日に同時に接種することができます。
秋から冬にかけてインフルエンザの流行が始まる時期は、肺炎球菌ワクチン接種の機会と重なることも多く、同時に接種を済ませてしまえば、通院の手間を一度で済ませられるという利点があります。ただし、最終的な判断は接種を行う医師が行いますので、ご自身の体調や既往歴などを考慮し、必ず事前に医師に相談してください。
Q3. 肺炎にかかったことがあっても接種した方が良いですか?
A. はい、過去に肺炎にかかった経験がある方でも、肺炎球菌ワクチンの接種を強くおすすめします。その理由は主に2つあります。
まず、肺炎の原因となる微生物は、肺炎球菌だけではありません。ウイルスや他の細菌、あるいは真菌など、様々な病原体が肺炎を引き起こす可能性があります。そのため、過去にかかった肺炎が必ずしも肺炎球菌によるものとは限りません。
次に、肺炎球菌には90種類以上の「型」が存在します。一度、特定の型の肺炎球菌に感染して免疫ができたとしても、それはその型に対する免疫であって、他の異なる型の肺炎球菌に対する免疫ができるわけではありません。肺炎球菌ワクチン(23価)を接種することで、これら多種多様な肺炎球菌の中から、特に感染症を起こしやすい23種類の型に対して、幅広く免疫を備えることができます。これにより、再び肺炎球球菌による肺炎にかかるリスクを大幅に減らすことが期待できるのです。
Q4. 定期接種の対象年齢を過ぎてしまいました。接種はできますか?(任意接種)
A. はい、定期接種の対象年齢を過ぎてしまった場合や、そもそも定期接種の対象年齢ではない方でも、肺炎球菌ワクチンを希望すれば接種することは可能です。この場合、「任意接種」という扱いになります。
任意接種では、公費助成の適用がないため、ワクチン接種にかかる費用は全額自己負担となります。医療機関によって費用は異なりますが、一般的には7,000円から10,000円程度が目安となるでしょう。肺炎は高齢者にとって重症化しやすい病気であり、一度かかると回復に時間がかかったり、体力が著しく低下したりするリスクがあります。費用はかかりますが、ご自身の健康状態や肺炎にかかるリスクを総合的に考え、かかりつけ医と相談の上で任意接種を検討する価値は十分にあります。ご自身の健康を守るための前向きな選択肢として考えてみてください。
まとめ:肺炎球菌ワクチンで自分と大切な人のための安心な毎日を
高齢者の肺炎球菌ワクチンは、加齢とともに高まる肺炎のリスク、特に重症化を防ぐための有効な手段です。国が費用の一部を助成する「定期接種」の制度を利用すれば、経済的な負担も少なく接種を受けることができます。自治体からの案内が届いたら、それはご自身の健康を守るための大切な機会と捉え、ぜひ前向きに検討してみてください。
ワクチン接種は、単に病気を予防するだけではありません。それは、重い病気で入院したり、家族に心配をかけたりすることなく、これからも自分らしく自立した生活を続けたい、という願いをかなえるための一助となります。趣味や旅行、友人との交流、お孫さんとの時間など、日々の楽しみを安心して続けるための「お守り」のようなものと考えてみてはいかがでしょうか。
この記事でご紹介した情報が、あなたの不安を和らげ、納得して一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。もし分からないことや心配なことがあれば、一人で悩まず、かかりつけの医師や自治体の窓口に気軽に相談してみてください。ご自身と、そしてあなたを大切に思う人のためにも、ぜひこの機会にワクチン接種をご検討ください。
――――――――――――――――――
当院でも、肺炎球菌ワクチン接種についてのご相談を承っております。
接種をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。
執筆者
医療法人社団クリノヴェイション理事長
内藤 祥
経歴
北里大学医学部卒
沖縄県立中部病院で救急医療、総合診療をトレーニング
沖縄県立西表西部診療所で離島医療を実践
専門は総合診療
資格
日本プライマリ・ケア連合会認定 家庭医療専門医・指導医
日本内科学会 認定医
日本医師会 認定産業医
日本旅行医学会 認定医
日本渡航医学会 専門医療職





