A型肝炎ワクチン hepatitis-a-vaccine
A型肝炎(Hepatitis A:HAV)
概要
- 原因ウイルス:A型肝炎ウイルス(HAV)による急性肝炎感染症です
- 主症状:潜伏期間は2~6週間。症状には、発熱、倦怠感、食欲不振、吐き気、腹痛、黄疸(皮膚・目の白さが黄色くなる)、暗色尿、淡色便などがあります
- 経過:通常8週間程度で回復します。10~15%は再び症状が出ることもありますが、慢性化することはなく、回復後は終生免疫が得られます
感染の仕組みと特徴
- 主な感染経路:汚染された飲料水・食べ物(特に生貝類)による糞口感染がほとんどです。手指や性行為などによる感染も報告されています
- 耐環境性:pH1の酸・高温(60℃まで)や乾燥に強く、水中で数ヶ月生存可能など耐性が高いウイルスです
- 流行地:衛生状態の悪い開発途上国での流行が多く、日本含む先進国では感染率が低めですが、海外旅行者での発症例は少なくありません
- 年齢別症状差:子どもは軽症または無症状で済むことが多いのに対し、成人は症状が重くなる傾向があります。高齢者では急性肝不全の危険もわずかながら存在します
合併症・重症化のリスク
死亡率は非常に低く、全体では0.015%程度ですが、50歳以上では最大2%程度に上昇します
急性肝不全(特に高齢者・基礎疾患のある人)
一過性関節痛、膵炎、まれに腎不全や心膜炎などの全身症状
A型肝炎の感染リスクと流行地
流行地域:インド、アフリカ、中南米、東南アジアなど衛生環境が整っていない地域
旅行者のリスク:流行地域への旅行時、生水や露地の飲食物(屋台など)で感染リスクが高まります
国内リスク:先進国でも、ホームレスや衛生環境が劣悪な状況での市中アウトブレイクが報告されており、注意が必要です
A型肝炎ワクチン
ワクチンの種類
- 不活化ワクチン(乾燥組織培養):日本では明治製薬(商品名:エイムゲン)などが製造・販売しています
- 生弱毒ワクチン:一部国で使用されていますが、国内使用は主に不活化ワクチンです
特徴
接種方法:筋肉または皮下に2回(通常0週と4~24週後)接種。追加接種で抗体価維持が確認されています
有効性:不活化ワクチンは、95%以上の人が予防効果を得られるとされ、2回接種により20年~終生の免疫が期待されます
接種対象者
以下の方に推奨されます
MSM(男性同性愛者)、薬物使用者(注射・非注射)
1歳以上の未接種の子ども・成人
海外旅行者(特に流行地域への渡航者)
慢性肝疾患・HIV感染者・血液凝固因子治療中の人
施設関係者
ワクチン接種方法とスケジュール
1回目接種:筋肉内または皮下注射(通常上腕)
2回目接種:初回から4~24週後に同様に接種
抗体獲得:初回から2~4週間後に抗体が形成され、2回目後は95~100%に効果が得られる
追加接種:24週後の追加で抗体維持に有効と確認されます
期待できる効果
- 感染予防率:約95%以上
- 持続性:十分なブースター接種により20年~終生の免疫が期待されます
- 安全性:重篤副反応はほとんどなく、筋肉痛・注射部位の痛み・軽い発熱や倦怠感が主体です
副反応
- 主な副反応:
- 局所:注射部位の痛み(1~2%程度)、発赤
- 全身:倦怠感(3~4%)、発熱、軽い頭痛など
- 頻度:臨床試験では6%程度が何らかの副作用を報告(筋内:6.5%、皮下注:5.4%)
- 重篤な副反応:極めて稀。アナフィラキシー等の報告はごく少ないです
予防接種を受ける際の注意点
- 接種前
- 妊娠中や免疫不全状態の方は、医師に必ず相談してください。
- 過去にワクチン成分でアレルギーを起こした方は接種不可または慎重に判断されます。
- 接種後
- 15~30分は院内で待機し、急なアレルギー反応に備えます。
- 注射部位を清潔に保ち、強い圧迫は避けてください。
- 接種間隔
- 2回目の接種を確実に受けることで十分な抗体形成が期待できます。対応スケジュールを忘れずに守りましょう。
- 他ワクチンとの接種
- B型肝炎ワクチンなど、複数接種が必要な場合は医療機関で相談してください。
- 旅行時期直前
- 渡航前2週間以内の場合、第1回接種と同時に免疫グロブリン注射が併用されることがあります
料金表
ワクチン名 | 製品 | 価格 |
---|---|---|
A型肝炎ワクチン(国産ワクチン) |
エイムゲン |
9,500円(税込10,450円) |
A型肝炎(輸入ワクチン) |
Havrix® Avaxim® |
15,500円(税込17,050円) |