ポリオワクチン polio-vaccine
ポリオ(ポリオウイルス感染症)
原因ウイルス
ポリオウイルス(ピコルナウイルス科エンテロウイルス属)
感染経路
主に糞口経路。汚染された水や食物から体内に入り、腸で増殖後、血流から中枢神経系へ侵入することがある。
感染リスク
CDCによると、アフリカ・中東、特定アジア・欧州諸国など、複数の国でポリオウイルスが依然として循環しており、旅行者は接触リスクがあるとされている
アルジェリア、カメルーン、スペインなどでは「過去1年以内にウイルス検出あり」とされ、旅行者の曝露リスクが高いと警告されている
流行地
2025年6月時点で、アフリカ(アルジェリア、チュニジアなど)、中東、アジア(インドネシア、パキスタンなど)、欧州(スペイン、英国など)でワクチン由来のポリオが確認されている
合併症
多くは無症候性もしくは軽症(胃腸炎様)で済むが、ごくまれにウイルスが運動神経を侵し急性弛緩性麻痺(肢体筋麻痺)を引き起こす。
さらに髄膜炎症状(発熱・頭痛・首硬直)、呼吸麻痺(場合によっては致命的)を伴うこともある。
ポリオワクチン
ワクチンの分類と特徴
IPV(不活化ポリオワクチン)
注射タイプ。ウイルス不活化により血中IgGを誘導、麻痺防止に有効。
OPV(生ワクチン)
経口タイプ。安価、腸管免疫で感染・伝播を制御。ただし稀にVAPP(ワクチン由来麻痺)のリスクあり
nOPV
改良型。安定性が向上し、VAPP発生リスクが低い
接種対象者
全出生児:基本接種(乳児期に複数回)。
旅行者・国際赴任者:リスク国への渡航前に追加ブースター接種推奨(IPV)
接種方法
IPV:筋注または皮下注。基本は3~4回+ブースター。
OPV:経口。地域により追加接種や集団免疫目的に使用。
効果
IPV:麻痺発症予防に高い効果あり。
OPV:経口投与によって腸管でのウイルス排出を抑制し、集団免疫強化にも貢献
副反応
IPV:局所反応(発赤・腫れ・痛み)。ごく稀にアレルギー反応(含まれる抗生物質に対する)。
OPV:稀にVAPP(2.7百万回に1例程度)
予防接種時の注意事項
ワクチン製剤に含まれる抗生物質(ストレプトマイシン等)にアレルギーがある場合は接種前に確認必須。
OPVは免疫不全者には通常控える。
渡航者は出発2–4週前にIPVブースター推奨。
妊婦については、不活化型(IPV)は安全性が高く、生ワクチンは避ける。
料金表
ワクチン名 | 製品 | 価格(税込) |
---|---|---|
ポリオワクチン(国産ワクチン) |
イモバックスポリオ |
11,500円(税込12,650円) |