ニキビのケアはどうしたらいいの?

当院は総合診療クリニックとして皮膚疾患を多く診療しており、湿疹・アトピー・ニキビなどが多いです。

今回はニキビについて、病態・治療薬・生活面の注意点を中心にまとめました。

ニキビの病態

ニキビは医学用語で尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)といい、思春期以降の90%以上の人が経験すると言われています。「青春のシンボル」と言われ、生理的現象として軽視されることが多いですが、れっきとした皮膚の慢性炎症性疾患です。見た目が悪化して心理的な負担になる場合もあり、早めに適切な治療を行うことが望ましいです。

ニキビは毛穴の中に皮脂がたまって詰まることで始まります。この状態が面皰(めんぽう)であり、いわゆる白ニキビ・黒ニキビの段階です。面皰の中はアクネ菌が増えやすく、炎症を起こして赤ニキビ・黄ニキビを引き起こします(図1)。強い炎症によって毛穴周囲の皮膚が障害を受けると、ニキビ痕が残ってしまいます。     

図1. ニキビの種類と模式図

ニキビの治療に使う主な外用薬

 かつては、炎症を生じたニキビに対し、内服・外用の抗生剤を使うことが治療の中心でした。しかし、抗生剤で炎症が引いても面皰は残り、抗生剤を長く使うことで耐性菌ができて効き目が悪くなります。近年では、毛穴のつまりを取り、面皰を抑制する薬剤が治療の基礎になっています。これらの薬剤を使いつつ、炎症を生じたニキビに外用抗生剤を適宜追加します(図2)。炎症が落ち着いた後は外用抗生剤を中止しますが、面皰が増えて炎症がぶり返すのを防ぐため、毛穴のつまりを取る薬は継続することが望ましいです。

 

図2. ニキビの治療に使う主な外用薬

※ベピオゲル・ディフェリンは使い始めの時に、乾燥・赤みが出る・ヒリヒリする・皮が剥ける・痒みが出るなどの副作用が多いです。これは「ピーリング効果」による副作用であり、毛穴のつまりを取る薬効の影響で生じます。多くは2週間以内で和らぎますが、保湿剤を併用したり、塗る量を少なめから始めることで対応できます。

その他の治療

①抗生剤の内服: 炎症を起こしたニキビの数が多い場合に併用を検討します。ビブラマイシン・ミノマイシンなどが選択肢になりますが、この2剤は妊婦には使用できません。耐性菌の懸念があるため、長くても3ヶ月までの使用にとどめることが望ましいです。

②漢方薬: 薬効はマイルドですが、副作用は比較的少ないです。外用薬に併用することが多く、荊芥連翹湯・清上防風湯・十味敗毒湯などが選択肢になります。

③ケミカルピーリング: 皮膚に化学薬品を塗ることで角質が剥がれ、面皰を改善する効果が期待されています。標準治療が無効あるいは実施できない場合に選択肢となりますが、保険適用外です。

生活面の注意点

①洗顔: ニキビは不潔にしているからできるわけではありません。余分な皮脂や汚れを落とすために洗顔は必要ですが、洗顔をし過ぎたり、擦り過ぎることで、炎症が起きて逆にニキビが悪化します。1日2回洗顔料をよく泡立て、手で優しく洗って十分な水で洗顔料を流してください。洗顔後に乾燥が気になる場合は、保湿用の化粧品や保湿剤を併用してください。

②化粧: 美容的な観点から化粧を行うのは問題ありませんが、油性のコメドジェニック(面皰形成性)なものは避けましょう。またファンデーションやコンシーラーを塗り重ねることも推奨できません。低刺激でノンコメドジェニックな化粧品を選択し、ファンデーションは薄くしましょう。

③食事: 特定の食べ物を一律に制限することは推奨されていません。一方で特定の食べ物を摂るとニキビが良くなることもありません。偏食を避けてバランスの良い食事を摂取しましょう。

④睡眠: 睡眠不足や昼夜逆転の生活などは、ホルモンのバランスが崩れるため、ニキビの悪化因子となる可能性があります。できるだけ規則正しい生活を心がけましょう。

※ニキビを触る・潰す・掻くことはやめましょう。膿を押し出しても毛穴に皮脂は残っており、炎症は治っていません。自分で皮脂を出しきることはできず、かえって炎症が悪化したり、ニキビ痕の原因になってしまいます。

 ニキビの病態・治療薬・生活面の注意について概説しました。面皰の段階で治療を始めることが望ましく、効果が証明されている治療を選択することが重要です。市販薬も色々と販売されていますが、効果は処方薬より劣るため、治りが悪い場合は医療機関の受診を推奨します。一般的に受診するのは皮膚科になりますが、当院のような総合診療でも診療できますので、どうしたらいいか分からない場合はご相談ください。

<参考資料>

・日本皮膚科学会Q&A

https://www.dermatol.or.jp/qa/qa3/index.html

・尋常性痤瘡治療ガイドライン2017

https://www.jstage.jst.go.jp/article/dermatol/127/6/127_1261/_pdf

田 陽
東京ビジネスクリニック 常勤医師
大阪市立大学医学部卒業。千葉県内で医師研修を受け、上海での駐在日本人向けの医療を実施。
その後川崎市内で家庭医療を研修し、東京ビジネスクリニックの常勤医師となる。

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