2価コロナワクチンって何?オミクロン株対応ワクチン(BA.1.2、BA.4.5)について

日本でコロナワクチンの接種が開始されて丸1年が経ち、社会全体の集団免疫が高まりコロナウイルスの脅威も少しずつ緩和が進んでいます。現在、コロナワクチンは1,2回接種を完了しているのは全国民の約80%、3回目の接種率は約65%となっており、先進国の中でも高い水準となっています。一方で、4回目の接種に関しては今年5月頃より対象者の接種が開始されているものの、未だ接種率は30%程度に留まっており、必要性を感じていないかもしくは打っても罹ってしまうのではないかという認識が広まっているようです。

改良版コロナワクチンの登場

そんな中、コロナワクチンが最新版へアップデートを迎えます。これまでのコロナワクチンは2019年に武漢で発生した従来株と呼ばれる元々のコロナウイルスを鋳型に作られたワクチンでした。その後、アルファ株やデルタ株などの変異型が次々に出現し、今年2022年に世界最大の感染者数を記録したのはオミクロン株です。従来株もオミクロン株も、分類としては同じ新型コロナウイルス(COVID19)ですが、変異を繰り返して表面のトゲトゲ部分(Sタンパク)はもうかなり違う形となっています。ワクチン接種ではこの表面のトゲトゲの形を人工生成して体内で抗体を産生しますので、現在主流のオミクロン株に対してより高い免疫効果が得られるように、抗体産生の元となるSタンパクの形を改良したものが必要になっているということです。

2価コロナワクチンとは?

この改良版コロナワクチンは2価ワクチンと呼ばれていますが、2価とは2つの抗原タイプを持つという意味です。つまり従来型(武漢株)と変異型(オミクロン株)の2つの抗原によって2種類の亜系統のコロナウイルスに対して効果を持つワクチンという意味です。ワクチンはこのように流行株を予想して複数の抗原を混ぜて生成することが多く、配合されている抗原の数によって2価ワクチンや4価ワクチンなどと呼ばれています。他の例で見ますと、毎年流行に合わせて作り変えられるインフルエンザワクチンは、A型株2種類とB型株2種類の4価ワクチンとなっています。

2価コロナワクチンの効果は?

では、改良版2価ワクチンの実際の効果はどうなのでしょうか。日本ではまだ接種が開始されて間もないため実証データがありませんが、海外(米国)のmRNA型ワクチン(ファイザー・モデルナ)の実績では、オミクロン株BA.1とBA.5に対する中和抗体の産生量は従来株ワクチンの1.5~2.0倍であるという結果が出ています。それ以外のアルファ株やデルタ株の系統に対しても従来ワクチンよりも2価ワクチンの方が抗体価が高く出ることが分かっていますので、2022年末に予想されている第8波の流行がどの系統のコロナウイルスであっても高い効果が期待されるということになります。注意点としては、中和抗体の量(=抗体価)が一般的には感染のしにくさの指標となってはいますが、実際の感染予防効果や重症化低減効果についてはまだはっきりとしたデータが出ていません。「おそらくオミクロン株に感染しにくくなり、重症化も減らせるだろう」という見込みが、現在のオミクロン株対応2価ワクチンの評価で、少なくともこれまでの従来株ワクチンに比べて効果が劣るということはないと思われます。またmRNA型ワクチンに関して言えば、感染予防効果は3-4ヶ月をピークに徐々に減少するというデータがあり、コロナに罹らないようにするためには年2-3回繰り返し接種が望ましいことも分かっています。オミクロン株感染による重症者のほとんどがワクチン未接種者であることから、ワクチンの重症化予防の効果はもっと長い期間持続すると考えられています。

副反応については、ほぼ変わらず

2価コロナワクチンの副反応については、従来のワクチンとほぼ同様です。局所反応としての接種部位の痛みや腫れ、全身反応としての倦怠感や頭痛、筋肉痛などが40-50%の割合で出現します。全身の発熱を伴うのは10%未満となっています。

接種スケジュールについて

今後のスケジュールとしては、10月後半よりオミクロン株対応2価ワクチンの接種が各自治体ごとに開始となります。オミクロン株対応ワクチン専用の接種券が、11月初めまでに1、2回目の接種を完了しているすべての住民に送付される予定です。すでに4回目を従来のワクチンで接種している人にも、5回目としてオミクロン株対応ワクチンの接種は可能で、前回の接種から3ヶ月間は間を開ける必要があります。(12歳以上の方)

内藤 祥
医療法人社団クリノヴェイション 理事長
専門は総合診療
離島で唯一の医師として働いた経験を元に2016年に東京ビジネスクリニックを開院。
日本渡航医学会 専門医療職

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