コロナ陽性後、陰性証明にPCR検査は必要?いつ仕事に復帰できる?

新型コロナウイルス感染症に罹ってしまった人は、治癒したことを証明するためにPCRをする必要があるのでしょうか。

答えから先に言ってしまうと、感染性がないことを証明するためにPCR検査は必要ありません。
理由は、すでに治癒していても、しばらくの間PCR検査は陽性に出続けてしまうためです。
不思議に感じるかもしれません。もう少し詳しく話していきましょう。

コロナは感染の初期にのみ強い感染力を持ちます

コロナウイルスは、発症前や症状が出始めた直後までに最も強い感染力を持ちますが、発熱や咳などの症状が出現した後は急速に感染力を失うという特徴があります。
驚くことに、新型コロナウイルスは感染したことに気づいていないまだ元気な患者ほど人に感染させてしまう力が強いウイルスで、咳をしたり検査で診断がされたりした患者は実はもうあまり人に感染させる力はない状態なのです。
これがインフルエンザウイルスのように発熱後に感染力を持つ一般的な季節性ウイルスと大きく違う点で、症状が出る前の感染患者が活発に活動する中でコロナウイルスを気づかず人に広めてしまう理由です。

隔離解除の基準は?

ではコロナウイルス検査が陽性となってしまった場合、その患者が何を基準にもう感染力がないと判断し、仕事や学業に復帰することができるのでしょうか。
その答えは2020年の前半にすでにWHO(世界保健機関)より明確な指針が出ています。

発症日より10日間(無症状の場合には検査日より10日間)経過し、かつ症状軽快後72時間以上経過した場合

という分かりやすい基準です。
日本の厚生労働省もこの基準に則り隔離解除の期間を設定していて、現在も発症後10日間(または検査日より10日間)を自宅待機期間と定めています。

PCR検査をせずに仕事に復帰して本当に大丈夫?

それでも念の為、コロナ感染が治癒していることを確認したいと考え、コロナ陽性後にPCR検査をしたいと考える人はいるでしょう。
この場合にはPCR検査は感度が良すぎて、すでに治癒して他人への感染性がもうなくなっている患者にも、検査をすると陽性反応が出てしまうことがあります。これを偽陽性と呼びます。
PCR検査が判定しているものはウイルスそのものではなく、ウイルス遺伝子です。ウイルス自体はもう体内で死滅していても、死んだウイルスの体の一部である遺伝子(RNA)が体内に残存していて、それをPCR検査で検出してしまうことがあるのです。
コロナウイルスに感染すると、その遺伝子は体内で平均で20日間程度は残り続け、その間は感染性がなく病気としては治癒している状態にも関わらずずっとPCR検査が陽性となってしまうという仕組みです。

まとめると

PCR検査は一度陽性になるとその後1ヶ月間は陽性に出続けます(平均20日間)が、発症日より10日間経過すればすでに感染性はなく、日常生活や仕事への復帰が可能です。
コロナウイルス感染症から治癒したことを証明するために、PCR検査を受けて陰性を確認することは必要ありません。
なお10日間の隔離解除後は、手指消毒や咳エチケットなどの衛生対策をきちんと行い、熱や咳などの症状がないかどうかの健康観察を毎日実施するようにしましょう。

当院でも新型コロナウイルスのPCR検査を実施しております。

※この記事の内容は2021/03/05時点での情報です。
状況は常に変わっていますので必ずしも最新の情報を掲載しているとは限りません。

内藤 祥
医療法人社団クリノヴェイション 理事長
専門は総合診療
離島で唯一の医師として働いた経験を元に2016年に東京ビジネスクリニックを開院。
日本渡航医学会 専門医療職

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