コロナ オミクロンBA.4とBA.5とは何?

2022年6月末より新型コロナウイルスの感染者がこれまでにないほどの急激な増加局面に入り、あっという間に今年初頭の第6波のピークに近い数字にまで到達しています。一体何が起こっているのでしょうか。

これからやって来る第7波の原因

今回の第7波は第6波と同じ変異型のオミクロン株による感染拡大です。新たな変異株が出現しているということではありません。オミクロン株はこれまでのアルファ株やデルタ株などとは全く別系統の変異株でしたが、同じウイルス型や株分類の中でも、一部の遺伝子配列が異なる亜系統を多く持つ特徴があります。
第6波はBA.1とBA.2と呼ばれる亜系統による感染拡大でしたが、第7波ではBA.4とBA.5がオミクロン株亜系統の主流となっています。

変異株と亜系統についてはこちらの「オミクロンBA.2とは何?変異株と亜系統はどう違うの?」を参考にして下さい。

2022年初頭のオミクロン株流行初期の時点で、すでにWHOではBA.4とBA.5を大きな感染を起こしうる亜系統として監視対象に追加していました。
実際に大きな流行となったのは2022年5月頃からですが、南アフリカから始まり6月初旬にはアメリカやヨーロッパなどで、それまでのBA.1やBA.2からBA.4とBA.5に急速に置き換わりが進み感染者数の拡大を引き起こしました。
日本においては世界の流行にやや遅れましたが、地域差はありますが、7月の第1週の時点で感染者の50%~60%はすでにBA.4とBA.5が検出されている状況です。

オミクロンBA.4とBA.5は感染力がさらに強い

では、これまでのBA.1やBA.2と今回のBA.4やBA.5は何が違うのでしょうか。
結論としてBA.4とBA.5は、これまでの変異株や亜系統と比べて感染力がさらに強く、また過去の新型コロナウイルス感染やワクチン接種によって得られた免疫を回避するという特徴があります。
実際に、外来診療をしていると2回目のコロナ感染の患者さんが少なくなく、過去にデルタ株のみならずオミクロン株のBA.1やBA.2に感染していても、その免疫応答をすり抜けてBA.4やBA.5には再感染しているケースが散見されます。つまり、新型コロナウイルスに一度罹った人や3回目ワクチン接種を受けた人であっても、今回の第7波では再度感染する可能性が十分にあり注意が必要です。

オミクロンBA.4とBA.5の症状はこれまでと変わりなく、重症化リスクはこれまでと同等

今回のBA.4とBA.5の感染に伴う症状としては、咽頭痛、鼻汁、頭痛、咳、倦怠感、がそれぞれ頻度順に並びます。38℃を超える高熱が出る人もいますが、熱がないもしくは微熱だけの人もいます。味覚や嗅覚の異常は多くないようです。これらの特徴はBA.1やBA.2と変わりありません。
またBA.4とBA.5による重症化リスクは、BA.1とBA.2とほぼ同等で、ワクチンを接種している前提であれば、死亡率や入院率は季節性インフルエンザよりもすでに低い数値となっています。

オミクロンBA.4とBA.5にもワクチンは有効だが、効果が切れる恐れも

新型コロナウイルスワクチンによるオミクロン株BA.4 / BA.5の感染予防効果は研究データからも期待できますが、過去の変異株と比べると効果は30-50%程度低いとされています。ただそれよりもワクチンを3回接種してから時間が経っている人が増えてきており、ワクチン接種者でもブレークスルー感染を起こしているケースとしては、接種後の抗体価低下(ワクチンの効果切れ)による理由も少なくないようです。またオミクロン株の免疫回避特性に対応したワクチンの改良も進んでいて、年内にも有効性のさらに高い新しいワクチンが各社からリリースされる予定があるようです。

今回のまとめ

コロナウイルスの変異株であるオミクロン株には、遺伝子配列の異なるBA.1~5などの亜系統があり、現在の流行の主流はBA.4とBA.5です。BA.1とBA.2に比べてより感染力が強いものの、咽頭痛や鼻汁、咳、頭痛などの症状はこれまでと同様で、重症化や死亡のリスクは低いとされています。感染予防にはワクチンの最低3回接種が必要で、2回では予防効果ほぼありません。今私たちがすべきことは自分と家族も含めてワクチンを3回しっかり完了させ、通常の感染対策を徹底することに変わりはありません。

 

内藤 祥
医療法人社団クリノヴェイション 理事長
専門は総合診療
離島で唯一の医師として働いた経験を元に2016年に東京ビジネスクリニックを開院。
日本渡航医学会 専門医療職

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