新型コロナ 変異ウイルスって何ですか(変異株とは)?

大阪で何が起きてるの?

大阪での感染拡大が止まりません。2021年4月14日は東京のほぼ2倍の感染者数を記録しました。
何故でしょうか。大阪の人たちが不摂生をしているから、と言うことでは決してありません。その理由は、変異ウイルス(=変異株)が大阪で流行してしまっているから、だとされています。現在、大阪の新規感染者の80%以上が変異ウイルスによるものだとされています。
実はこの変異ウイルスによる新型コロナウイルスの大流行(第4波)が起こる事は、日本の専門家の間では明確に予測されていたことでした。

変異ウイルスとは?

ウイルスとは、体を作る設計図である遺伝子とそれを包む殻の2つから成り立つ極めてシンプルな構造体です。
すべてのウイルスに言えることですが、自らの種が生き永らえるために、ウイルスは常に遺伝子の突然変異を繰り返して少しずつですが絶えず変わり続けているという特徴があります。ウイルスも他の生物と同様に、種の繁栄のために進化しているとも言えるでしょう。
特に突然変異しやすいウイルスとして知られているのは、おなじみのインフルエンザウイルスで、毎年違うインフルエンザウイルスが流行し毎年違うワクチンが開発されるのは、この極めて多様な突然変異によるものです。

一方で、コロナウイルスは突然変異がそれほど多いウイルスではありません。ただこれだけ世界で蔓延してウイルスの絶対量が増えると、すでに世界のあちこちでコロナウイルスが突然変異を繰り返して増えていて、少しずつ形や特徴の違うコロナウイルスが多種存在しているというのが現状です。

変異ウイルスは従来型ウイルスと何が違うの?

ウイルスの遺伝子が突然変異を起こしても、通常は少し形が変わったり特徴が変わったりする程度で、ウイルスとしての個性に大きな変化はありません。
ただ何度も突然変異を繰り返していると、稀に人間にとって都合の悪い(人間の体に入りやすかったり、免疫攻撃が効きにくかったりする)ウイルスが出現し、人間への感染性を大きく変えてしまうことがあります。

冒頭の話に戻りますと、大阪ではこの遺伝子の突然変異によってたまたま人の体に侵入しやすく強い感染力を獲得してしまった変異ウイルス(主にイギリス型)が大流行してしまい、感染拡大が止まらない状況となっているのです。

変異ウイルスはどのくらい広まっているの?

人間に悪影響を及ぼすような特徴を新たに獲得してしまった変異ウイルスは、その感染力で瞬く間に世界中に広がっていきます。現在、世界で猛威を奮っている新たな変異ウイルスは主に3種類で、イギリス型、南アフリカ型、ブラジル型、と呼ばれ騒がれているのをニュースでも日々耳にしているかと思います。昨日4月13日時点でイギリス型の変異ウイルスは世界(全体196のうち)132の国や地域に拡大し、南アフリカ型が82、ブラジル型も52の国や地域に広まっていて、実はもうほとんど従来型のウイルスは勢いを失い、新たに突然変異した変異ウイルスが世界中のコロナウイルスの主流となっています。

東京都での4月第一週目の調査では、従来型のコロナウイルスはすでに全感染者の4分の1にしか確認されておらず、残りの4分の3は新たな変異ウイルスによる感染に置き換わってしまっています。

変異ウイルス3つの疑問

従来のウイルスに比べ、変異ウイルスは人にとって都合の悪い特徴を3つ持っています。

1つは感染力が高いこと。これはウイルスが人の細胞に入りやすく変異した結果です。例えば、イギリス型の感染力は従来型の約1.3倍というデータがあります。また子供にも感染する可能性が高くなりました。

2つ目の特徴は重症化や死亡のリスクが高いこと。これは人間の体が持つ免疫力や抵抗力をかいくぐる特性を変異ウイルスが獲得してしまったためです。人間の体内に入ったウイルスに抵抗する手段がなく重症肺炎や多臓器不全を引き起こします。

3つ目はワクチンの効果が減弱すること。抗原性の変化(表面のトゲトゲの形状変化による)とされています。ただ今のところはファイザー社を始め大手各社のワクチンは、効果が減弱した上でも、接種により十分な予防効果を発揮できるとしていますので、現状のワクチンの接種が推奨されることには変わりありません。

今後のコロナワクチンの行方

コロナウイルスは今後も突然変異を繰り返しながら世界中で生き延びていくことが予想されています。ここで述べた3つの変異ウイルス以外にも、すでにフィリピン型やカリフォルニア型などのさらに厄介な特徴を持った変異ウイルスが確認されています。

ただ一方で、コロナウイルスに対するワクチンの開発も世界中で数百におよぶ開発プロジェクトが進行中です。
人類の歴史はウイルスとの戦いの歴史である、と言う研究者もいるくらいで、これから先しばらくはコロナウイルスの突然変異と新たなワクチン開発のイタチごっこになるのかもしれません。

内藤 祥
医療法人社団クリノヴェイション 理事長
専門は総合診療
離島で唯一の医師として働いた経験を元に2016年に東京ビジネスクリニックを開院。
日本渡航医学会 専門医療職

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